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コラム

イベントレポート編

BE:YOND by b-en-g 2018 セッションレポート「デジタル新時代の工場業務改革~安全・安心な食の継続的提供への追求~ 」

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講演者

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image マルハニチロ株式会社生産管理部
スマートファクトリー推進課
課長 鈴木 創 氏

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キヤノンITソリューションズ株式会社
製造・公共・流通営業本部 営業第一部
部長 森永 明洋 氏

講演タイトル

「マルハニチロのスマートファクトリー構想を支える「mcframe」」


加工セグメントでスマートファクトリー構想を推進

森永
今日はよろしくお願いします。早速ですがマルハニチロの特色をお聞かせください。

鈴木
マルハニチログループは、「世界においしいしあわせを」をグループスローガンに、本物・安心・健康な「食」の提供により、人々の豊かな暮らしと幸せに貢献したいという思いで企業活動を行っています。漁業・養殖、商事、海外、加工、物流の5つのセグメントで価値の創出を目指しており、その中でも現在、加工セグメントでスマートファクトリー構想を推進しています。

マルハニチロが考えるスマートファクトリー構想は、つながる、見える、先の見通せる、ミスを未然防止できる工場であり、QCD(品質、コスト、デリバリ)の究極的な向上を目指すとともに、「安定した品質の製品をお客様に提供し続けること」「製造に携わる従業員にとって働きやすい環境を創ること」を目的としています。

森永
スマートファクトリー構想の一環として、新生産管理システムを導入されましたが、その背景やプロセスをお聞かせください。

鈴木
2013年からスタートし、約2年かけて、工場業務の現状把握からトラブル分析、機能要件の整理、ベンダー選定までを行いました。新システム導入前の課題としては、計画・指図、実行、管理のほとんどが手作業で、過去2年半で2,000件以上のトラブルが発生していました。これらのトラブルを100%未然に防ぐ環境創りこそが、スマートファクトリー構築のカギであると考えました。

そこで目指す姿と現状のギャップを埋めるために必要な機能要件を90項目に整理し、4社にシステム構築提案を依頼。結果、キヤノンITソリューションズ(キヤノンITS)の提案を採用しました。キヤノンITSの提案を採用したのは、提案内容がスマートファクトリー構想に合致していたこと、より具体的だったこと、mcframeの導入実績があったこと、食品業界の知見が豊富だったことなどが理由でした。

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業務標準化や見える化、データ共有化によって数々の成果

森永
新生産管理システムの全体像をお聞かせください。

鈴木
生産管理システムにmcframe、生産スケジューラにAsprova、製造実行にQITEC、設備管理にAMISYSを連携して新生産管理システムを構築しています。構築において、原料購買や在庫管理などの基本業務はmcframeに合わせ、マルハニチロの強みを発揮したい損益管理、品質管理、製造実行に注力して追加開発を行う手法が効率的でリスクが低いと判断しました。

森永
新システム導入による成果についてお聞かせください。

鈴木
まず経営視点では、業務標準化やデータ共有化により、直営7工場のシナジー効果を発揮できる環境を構築できました。事業視点では、工場の発生明細情報(ビックデータ)を活用した業務の見える化が可能になり、工場視点では、指図と実行を連動させることで工場従業員の失敗を未然に防ぐ環境を構築できました。

定量的な効果として、配合・計量ミスを対前年比75%削減、購買業務の標準化で在庫回転率を約2倍に向上、帳票の電子化で1日あたりの紙帳票を4分の1に削減、従来1.5時間かかっていたロットトレースを10分に短縮などが挙げられます。

森永
今後の展望をお聞かせください。

鈴木
新生産管理システムをグループ内に横展開していく計画です。機能拡張では、製造現場におけるAIやIoTの活用や、販売情報との連携による経営の意思決定支援の向上などに貢献していきたいと思っています。

森永
スマートファクトリーを目指す企業にアドバイスをお願いします。

鈴木
システムありきではなく「何を目指すのか」を明確にし、自社工場における現状との「ギャップ」を明確にすることが必要です。スマートファクトリー構想は、範囲が広いため「ぶれない骨子を持ち続けること」が最も大切です。

鈴木
マルハニチロのプロジェクトが、企業の業務改革やスマートファクトリー化の参考になれば幸いです。ありがとうございました。

BE:YOND by b-en-g 2018レポート

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